税務調査では、パソコンの中のデータやメールを見せないといけないの？

【税務調査とパソコンのデータやメールの閲覧】

税務調査で、調査官から、
「パソコンの中のデータを見せてください。」とか、
「パソコンの中のメールを見せてください。」などと言われることがあります。

このとき、パソコンの中のデータやメールは見せないといけないのでしょうか？
考えてみましょう。

目次
１．税務調査では、パソコンの中のデータやメールを見せないといけないの？
２．税務調査でパソコンの中のデータやメールを見せるときは、どうすればいいの？
３．税務調査に備え、パソコンの中の準備はどうすればいいの？
４．まとめ

税務調査では、パソコンの中のデータやメールを見せないといけないのでしょうか？
税務調査といっても、いくつか種類があります。
今回は、通常の税務調査である任意調査について考えます。

任意調査に該当する税務調査では、
パソコンの中のデータやメールは必ずしも見せる必要はありません。

どうしても見せたくないのであれば、断ってかまいません。
また、見たいならどうぞというのであれば、見せても良いでしょう。
最終的に見せるかどうかの判断は、社長の考え方や気持ちによります。

強硬にパソコンの中のデータやメールの閲覧を求める調査官には、
どうしてパソコンのデータやメールを閲覧をしたいのか、
明確かつ具体的な理由を聞きましょう。

おそらく的を得た理由は返ってこないでしょう。そうであれば、断りましょう。
任意調査での質問検査権は、犯罪捜査のために行われるものではありません。
日々の経理や税務申告などが正確に行われているかの確認のために行われます。

税務調査でパソコンの中のデータやメールは必ずしも見せる必要はありません。
なんらかの理由で見せることになったときは、どのようにすれば良いのでしょうか。

パソコンの画面上で直接見せるのではなく、該当するデータやメールを印刷して見せましょう。
画面で見てもらうと該当するデータやメールを画面に表示するまでに、
余計なデータやメールを見られてしまうことになります。

また、表示画面に該当するデータやメール以外の
データやメールが表示されてしまっていることもあり得ます。

当たり前のことを当たり前に記帳し、税務申告していれば、
余計なデータやメールを見られたからと言って、
何か不利益になることはないと考えますが・・・。

必要のない疑念をもたれないためにも、
パソコンの画面でデータやメールを見せるのではなく、
印刷して紙で見せるようにしましょう。

パソコンの画面でデータやメールを見せることになった場合です。
パソコンの操作は、会社の人間が行います。
調査官には、画面を見てもらうだけにするようにします。

税務調査でパソコンの中のデータやメールを画面で見せることになったとしても、
慌てないように、念のため、パソコンの中の事前準備をしておきたいですね。
どのような準備をすれば良いのでしょうか？

よく使うファイルを開くときは、重宝します。
税務調査で、調査官がパソコン画面の後ろに立ち、
ファイル名を見て、あらぬ疑念をかけられる可能性もゼロではありません。

「〇〇〇〇売買契約書」のファイル名が表示されて、
税務調査の対象期間中の契約書を昨日つくったのでは？
などの疑いをもたれても、面白くありません。

最近使ったファイルはクリアし、
表示されないようにしておきましょう。

なお、保存しているデータの名称についても、
適切な名称かどうか確認しておくとよいでしょう。

調査官によっては、都合の悪いデータなどが
パソコンのごみ箱に残っているのではないかと
考える可能性もゼロではありません。

当たり前のことを当たり前に経理して、税務申告していれば、
全く問題のないことですが、必要のない疑いを回避するためにも、
パソコンのごみ箱はあらかじめ、空にしておきましょう。

任意調査に該当する税務調査で、
パソコンの中のデータやメールの閲覧を求められても、
必ずしも見せる必要はありません。

見せるか見せないかの判断は、
社長の考え方や気持ち次第です。
見せても良いのであれば見せても良いでしょう。

データやメールを見せる場合でも、
できれば印刷して紙で見せるようにしましょう。

データやメールを画面で見せることに備えて、
税務調査前に、パソコンの中についても
準備しておきましょう。