相続税の債務控除や葬式費用の控除を忘れていませんか?

【相続税の債務控除と葬式費用】

相続税は、亡くなられた方が残した相続財産に課税されます。
亡くなられた方が残した借金などの債務は、
相続財産から控除することができます。
葬式費用も債務と同じように相続財産から控除できます。

債務や葬式費用を申告することが、節税につながります。
ただ、すべての債務や葬式費用が控除できるわけではありません。
控除できる債務、できない債務について、考えてみましょう。

森

目次
1.相続財産から控除できる債務とは?
2.相続財産から控除できない債務とは?
3.相続財産から控除できる葬式費用とは?
4.相続財産から控除できない葬式費用とは?
5.まとめ

1.相続財産から控除できる債務とは?

亡くなられた方の死亡時に確実な債務のみが控除できる

次の5つは、債務として相続財産から控除できます。

①借入金

②借入金の利息で未払のもの

③入院費などの医療費で未払のもの

④事業上の買掛金や未払金

⑤亡くなられた方が負担すべき税金など

死亡日に確定している債務で、死亡後に支払ったものは、
相続税の債務控除として控除します。

入院費、治療費などの医療費で、死亡日までに支払いがされたものは、
所得税の準確定申告において、医療費控除として控除します。

なお、亡くなられた方の所得税は、
死亡日から4か月以内に、準確定申告で確定します。
この準確定申告による所得税は、相続財産から控除できます。

ただ、相続人が死亡日から4か月以内に、
所得税の納税をしなかった場合の延滞税や加算税は、
相続財産から控除できません。

2.相続財産から控除できない債務とは?

次の2つは、債務として相続財産から控除できません。

【1】相続税の非課税財産の債務

お墓、仏壇、仏具など、
相続税の非課税財産の債務は、控除できません。
ご注意ください。

【2】保証債務

保証債務は、亡くなられた日に確定している債務ではありません。
原則として、控除できません。

債務者に代わって債務を弁済してしたうえで、
保証人に求償しても 回収できない場合に限り、
控除することができます。

3.相続財産から控除できる葬式費用とは?

次の4つは、葬式費用として、相続財産から控除できます。

【1】火葬費用、納骨費用、埋葬費用、遺骨の回送費用

仮葬と本葬の両方を行う場合は、
その両方の費用が控除できます。

【2】お布施、戒名などで、社会通念上一般的な金額の範囲の費用

お布施などは、亡くなった人の地位などを考慮して、
常識的な金額であれば控除できます。

領収証の保管を忘れないようにしましょう。
葬式費用の中には、領収証が出ないものや、
領収証の発行を頼みにくいものがあります。

お布施、戒名、お車代などが該当するのではないでしょうか。
領収証がでない場合、支出日、支出先、対価の内容など
通常、領収証に記載する内容を、ノートでかまいませんので、メモしておきましょう。

【3】葬式前後で一般的に必要となる費用

【4】遺体の捜索費用や運搬費用

4.相続財産から控除できない葬式費用とは?

次の5つは、葬式費用として、相続財産から控除できません。

【1】香典返しの費用

香典返しを受け取る側には、課税対象とすることがなじまないため、
贈与税や所得税が課税されません。
これに合わせて、香典返しをする側は、葬式費用として控除できません。

【2】墓地や墓石などの購入費用や借入料

【3】法会の費用

初七日や四十九日などの法会の費用は、
葬式費用として控除できません。

【4】医学上や裁判上の特別の処置に要した費用

【5】社葬費用

社葬を行った場合の社葬費用は、
原則、 会社の福利厚生費として経費にできます。
重複して、相続税でも債務控除することは認められません。
ご注意ください。

5.まとめ

債務や葬式費用の控除は、自分で申告しない限り、認められません。
税務署が積極的に債務や葬式費用を含めてくださいとアドバイス
してくれることは考えにくいです。

心身とも落ち着かない時期ではありますが、
領収証などをきちんと保存しておき、
債務や葬式費用を確実に控除しましょう。
相続税の節税メリットを受けられます。

債務や葬式費用を相続財産から控除できる人は、
原則として、相続人になります。

日本に住所がなく、一定の要件を満たす人は、
国内財産の債務のみの控除、葬式費用は控除不可となります。
ご注意ください。