医療用機器等の特別償却を忘れていませんか?

【医療用機器等の特別償却】

医療用機器等の設備投資をした場合、投資額は高額になるのが通常です。
条件を満たすと、通常の減価償却費とは別枠で
特別償却費を経費に落とせる優遇税制を適用できます。

では、どのような場合に特別償却をすることができるのでしょうか?
考えてみましょう。

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目次
1.医療用機器の特別償却で経費に落とせる金額はいくらなの?
2.医療用機器の特別償却を適用するための条件とは?
3.
まとめ

1.医療用機器の特別償却で経費に落とせる金額はいくらなの?

医療用機器の取得価額×12%

医療用機器の使用開始初年度に、
取得価額の12%を特別償却費として経費にできます。
ただし、特別償却するには条件があります。

2.医療用機器の特別償却を適用するための条件とは?

【1】青色申告の法人又は個人である

青色申告でないと、医療用機器の特別償却を適用することはできません。
白色申告をしている場合は、税務署へ青色申告の承認申請書を提出して、
青色申告に変更しましょう。

【2】医療保険業を営んでいる

医療保険業には、医業、歯科医業、獣医業などが含まれると考えます。

【3】昭和54年4月1日から平成29年3月31日までに医療用機器を取得して、使用を開始する

【4】医療用機器の条件

下記の条件を満たす医療機器であることが必要です。
③と④はどちらかひとつでOKです。

①新品であること

②1台の取得価額が500万円以上であること

③高度な医療の提供に資するもので厚生労働大臣が指定していること

④医薬品医療機器等法の指定を受けてから2年以内であること

・医療用機器に該当するもの

CT診断装置、超音波画像診断装置、手術室用機器、
集中監視装置、リハビリテーション機器など。
産婦人科、眼科、外科、耳鼻咽喉科、歯科などのそれぞれ特有の医療機器。

・医療用機器に該当しないもの

救急車、レントゲン車、食器滅菌装置など。

3.まとめ

医療用機器を取得した場合には、税額控除制度が存在しません。
残念ながら、医療用機器に対して税額控除は適用できません。
条件に該当する限りは、特別償却の適用を忘れないようにしましょう。

ただ、医療用機器の特別償却は、
将来の減価償却費を初年度に前倒しして経費とする、
あくまでも課税の繰り延べです。

税金の値引きではない点には、ご注意ください。
優遇税制は、もれなくきちんと適用しておきましょう。