相続税の相次相続控除を忘れていませんか?

【相続税の相次相続控除】

短い期間に、相続が連続しておきてしまうことも
残念ですが、現実には少なくありません。
相次相続控除をという税額控除を選択すると、
相続税が値引きになります。

では、どんなケースに相次相続控除を選択できるのか
考えてみましょう。

階段と灯篭

目次
1.相次相続控除を選択できる場合とは?
2.相次相続控除で控除できる金額とは?
3.相次相続控除を選択できる人とは?
4.まとめ

1.相次相続控除を選択できる場合とは?

前回の相続から今回の相続までの間が10年以内の場合

父から子への相続第1次相続
子から孫への相続第2次相続 とします。

第1次相続と第2次相続の間が、10年以内であれば、
相次相続控除を選択できます。

2.相次相続控除で控除できる金額とは?

税額控除額 = A × C/(B-A) × D/C × (10ーE)/10

A:第2次相続の被相続人(子)が、第1次相続で支払った相続税
B:第2次相続の被相続人(子)が、第1次相続で相続した財産の価額
C:第2次相続で、相続人全員が相続した財産の価額
D:第2次相続で、相次相続控除をうける相続人(孫)が相続した財産の価額
E:第1次相続から第2次相続までの年数(1年未満の端数切捨て)

ちょっと分かりにくいですね。
分かりやすく言ってしまうと、
同じ財産に、短期間で2回相続税を課税するのはかわいそうなので、
おまけしますという内容です。

第1次相続で払った相続税の値引きが受けられます。
値引き割合は、第1続から第2次相続までの期間に応じて、
下記のようになります。

第1次相続から
第2次相続までの期間   値引き割合
~1年未満      100%引き
1年以上2年未満      90%引き
2年以上3年未満      80%引き
3年以上4年未満      70%引き
4年以上5年未満      60%引き
5年以上6年未満      50%引き
6年以上7年未満      40%引き
7年以上8年未満      30%引き
8年以上9年未満      20%引き
9年以上10年未満      10%引き
10年以上          0%引き

第1次相続の相続税が2千万円とします。
期間が0年なら、2千万円引き
期間が5年なら、1千万円引き
期間が10年なら、値引きなし となります。

第2次相続の被相続人(子)が、
第1次相続から第2次相続の間に消費した相続財産については、
値引きは受けられません。
実際は、消費した財産の分だけ、値引きが額は少なくなります。

次の2つの場合では、相次相続控除の適用はありません。

①第2次相続の被相続人(子)が、第1次相続で相続税が課税されない場合

②第2次相続の被相続人(子)が、第1次相続で財産を取得していない場合

3.相次相続控除を選択できる人とは?

 第2次相続の相続人が選択できる

第2次相続の相続人でないと、相次相続控除の適用はありません。
相続を放棄した人や、遺贈で財産をもらった人は対象外です。

4.まとめ

相次相続控除による節税メリットは、自分から申告しないと適用になりません。
税務署サイドが、相次相続控除を使えますよ、
と言ってくれることはありません。

相次相続控除を計算するには、
前回の相続税の申告書の控えが必要です。
少なくとも10年間は、保存しておきましょう。