相続税の障害者控除を忘れていませんか?
【相続税の障害者控除】
障害をお持ちの方は、日常生活において、
さまざまな負担やご苦労があります。
障害をお持ちの方が遺産を相続する場合には、
相続税の障害者控除を選択すると、
相続税の値引きを受けることができます。
では、相続税の障害者控除を選択できるのは、
どのような場合なのでしょうか?
考えてみましょう。
目次
1.相続税の障害者控除を選択するための条件とは?
2.相続税の障害者控除で控除することができる金額とは?
3.まとめ
1.相続税の障害者控除を選択するための4つの条件とは?
【1】障害者の方
ご自身で障害者であると申告すれば、
相続税の障害者控除が認められるわけではありません。
税法に規定されている障害者に該当する必要があります。
税法には、特別障害者と一般障害者が規定されています。
特別障害者、又は一般障害者に該当すれば、
相続税の障害者控除の適用を受けることができます。
①特別障害者
・身体障害者手帳に1級又は2級の記載がある方
・精神障害者保険福祉手帳に1級の記載がある方
・重度の知的障害をお持ちの方
・12月31日現在で引き続き6か月以上病床で介護を要する方など
特別障害者の方は、ここに記載された方に限定されているわけではありません。
ここに記載されていない方で特別障害者と認められる場合も、もちろんあります。
②一般障害者
・身体障害者手帳に3級から6級の記載がある方
・精神障害者保険福祉手帳に2級から3級の記載がある方など
一般障害者の方は、ここに記載された方に限定されているわけではありません。
ここに記載されていない方で一般障害者と認められる場合も、もちろんあります。
【2】相続や遺贈で財産を取得している
相続や遺贈で財産を取得していない障害者の方は、
障害者控除を選択することはできません。
【3】遺産を相続するとき、日本国内に住所がある
障害者の方が遺産を相続するとき、日本国内に住所があることが必要です。
【4】法定相続人である
亡くなった方の法定相続人であることが必要です。
相続の放棄をしたとしても、法定相続人であれば、
障害者控除を選択することができます。
2.相続税の障害者控除で控除することができる金額とは?
【1】特別障害者の方は、年20万円
【2】一般障害者の方は、年10万円
障害者控除の金額は、特別障害者の方は年20万円、一般障害者の方は年10万円です。
年数は、相続発生日から85才になるまでの期間で計算します。
1年未満の端数があるときは、切り上げします。
45才の特別障害者の方ですと、
20万円×(85才-45才)=800万円
となります。
【3】障害者の方の相続税から控除しきれない場合、扶養義務者から控除できる
障害者控除の金額が、障害者ご本人の相続税の金額よりも
大きくなってしまうこともあります。
この場合、障害者の方の扶養義務者の相続税の金額から控除できます。
配偶者、直系血族、兄弟姉妹、3親等の親族のうちの一定のものが扶養義務者に該当します。
扶養義務者に相続税の金額があれば、
未使用の障害者控除の金額を控除するようにしましょう。
障害者の方が、過去の相続で障害者控除の適用を受けているときは、
過去の相続で控除した障害者控除の金額は、
今回の相続では控除できません。
障害者の方が相続人になるときは、
相続税の申告書の控えを永久保存しておいた方が良いでしょう。
過去の相続での障害者控除の金額を確認することができます。
3.まとめ
相続税の障害者控除は、ご自身で申告しないと控除が認められません。
税務署からの積極的なアドバイスは期待できませんので、
忘れずに申告するようにしましょう。
相続税の申告書を提出するときは、
身体障害者手帳のコピーなど、特別障害者又は一般障害者であることを証明する書類も
一緒に提出する必要があります。ご注意ください。