省エネ改修工事の税額控除を忘れていませんか?

【省エネ改修工事の税額控除】

昨今の省エネブームで個人の住まいを省エネ対応にするため、
改修工事をする方も多いのではないでしょうか?
一定の条件に該当すれば、 所得税について省エネ改修工事の税額控除を適用できます。

では、省エネ改修工事の税額控除を適用できるのは、
どんな場合なのでしょうか?
考えてみましょう。

太陽光パネルの家

目次
1.省エネ改修工事の税額控除を適用するための条件とは?
2.省エネ改修工事の税額控除で、控除できる税額はいくらなの?
3.まとめ

1.省エネ改修工事の税額控除を適用するための条件とは?

【1】日本国内に住所がある人

外国に住所がある人はNGです。

【2】対象になる省エネ改修工事は?

①~③の工事で、省エネ性能が平成25年基準以上になるものが対象になります。

①居室のすべての窓の改修工事

②上記①と併せて行う床、天井、壁の断熱工事

③上記①と併せて行う太陽光発電装置などの取付工事

【3】増改築の工事証明書を税務署に提出すること

建築士や住宅性能評価機関から条件に該当する省エネ改修工事である証明書を発行してもらい、
確定申告書と一緒に税務署へ提出する必要があります。
その他、住民票や建物の謄本なども必要になります。

【4】平成21年4月1日から平成31年6月30日までの間に省エネ改修工事をして、工事日から6か月以内に住むこと

平成21年4月1日から平成31年6月30日までの期間限定です。
省エネ改修工事を検討されている方は、適用期間に注意しましょう。
住宅は自己所有に限定されます。

【5】合計所得金額が3,000万円以下であること

合計所得金額が3,000万円以下であることが必要です。
上場株式の譲渡損失の繰越控除を受けるために、
特定口座の譲渡益を確定申告する場合などは 3,000万円を超えないようにしましょう。

【6】工事後の床面積が50㎡以上であること

登記簿の床面積で判断します。

【7】工事費用の半分以上が居住用部分に対するものであること

【8】住宅ローン控除を適用していないこと

住宅ローン控除と省エネ改修工事の税額控除とは、
同時に適用することはできません。
有利な方を選択して適用しましょう。

2.省エネ改修工事の税額控除で、控除できる税額はいくらなの?

【1】ローンなしタイプ(太陽光発電設備設置工事なし)

①と②の少ない金額を所得税から控除できます。

①省エネ改修工事の標準費用×10%

②25万円

【2】ローンなしタイプ(太陽光発電設備設置工事あり)

①と②の少ない金額を所得税から控除できます。

①省エネ改修工事の標準費用×10%

②35万円

省エネ改修工事の標準費用として、下記が定められています。
標準的な工事費用が合計で50万円を超える必要があります。
補助金を受け取った場合、補助金は工事の標準費用から控除します。

断熱性を高める工事の標準費用は、次の通りです。

※1 窓

ガラス交換 6,400円/㎡
サッシ及びガラス交換通路拡張工事 15,500円/㎡~18,900円/㎡
内窓の新設 7,700円/㎡~11,800円/㎡

※2 天井

2,700円/㎡

※3 壁

19,300円/㎡

※4 床

4,700円/㎡~5,700円/㎡

※5 太陽光発電設備の設置工事

537,200円/㎡

【3】ローンありタイプ

①と②の少ない金額を、5年間所得税から控除できます。(最高62.5万円)

①省エネ改修工事の標準費用(最高250万円)×2%+その他工事費(最高750万円)×1%

②12.5万円

ローンありタイプは、上記以外にも、
借入金の償還期間が5年以上であることなど
増改築の住宅ローン控除と同じ条件を満たす必要があります。

3.まとめ

省エネ改修工事の税額控除は、所得税の値引きです。
該当する場合は、忘れずに適用しましょう。

省エネ改修工事をローンで行った場合、
住宅ローン控除の条件に該当すれば
住宅ローン控除を選択することもできます。

シミュレーションのうえで、
どちらか有利な方を選択しましょう。