バリアフリー改修工事の税額控除を忘れていませんか?

【バリアフリー改修工事の税額控除】

年齢を重ねるにつれて、個人の住まいをバリアフリーに対応するため、
改修工事が必要になる場合は多いと思います。
一定の条件に該当すれば、 所得税についてバリアフリー改修工事の税額控除を適用できます。

では、バリアフリー改修工事の税額控除を適用できるのは、
どんな場合なのでしょうか?
考えてみましょう。

住宅街と川

目次
1.バリアフリー改修工事の税額控除を適用するための条件とは?
2.バリアフリー改修工事の税額控除で、控除できる税額はいくらなの?
3.まとめ

1.バリアフリー改修工事の税額控除を適用するための条件とは?

【1】対象者は?

①50歳以上の方

②要介護、要支援の認定を受けている方

③障害者の方

④上記②又は③の方と同居している人

⑤65歳以上の人と同居している人

【2】対象になるバリアフリー工事は?

①通路や出入口の幅を拡張する工事

②浴室の床面積の増加工事

③トイレの床面積の増加工事

④手すり取り付け工事

⑤段差解消工事

⑥床のすべり止め工事など

【3】増改築の工事証明書を税務署に提出すること

建築士や住宅性能評価機関から条件に該当する工事である証明書を発行してもらい、
確定申告書と一緒に税務署へ提出する必要があります。
その他、住民票や建物の謄本、介護保険の被保険者証の写しなども必要になります。

【4】平成21年4月1日から平成31年6月30日までにバリアフリー改修工事をして、工事から6か月以内にその住宅に住むこと

平成21年4月1日から平成31年6月30日までの期間限定です。
バリアフリー改修工事を検討されている方は、適用期間に注意しましょう。
住宅は、自己所有のものに限られます。

【5】合計所得金額が3,000万円以下であること

合計所得金額が3,000万円以下であることが必要です。
上場株式の譲渡損失の繰越控除を受けるために、
特定口座の譲渡益を確定申告する場合などは 3,000万円を超えないようにしましょう。

【6】工事後の床面積が50㎡以上であること

登記簿の床面積で判断します。

【7】工事費用の半分以上が居住用部分に対するものであること

【8】住宅ローン控除を適用していないこと

住宅ローン控除とバリアフリー改修工事の税額控除とは、
同時に適用することはできません。
有利な方を選択して適用しましょう。

2.バリアフリー改修工事の税額控除で、控除できる税額はいくらなの?

【1】ローンなしタイプ

①と②の少ない金額を所得税から控除できます。

①バリアフリー改修工事の標準費用×10%

②20万円

バリアフリー改修工事の標準費用として、下記が定められています。
標準的な工事費用が合計で50万円を超える必要があります。
補助金を受け取った場合、補助金は工事の標準費用から控除します。

※1 車いす移動を容易にするための拡張工事

出入り口拡張工事 189,900円
通路拡張工事 172,700円

※2 浴室

浴槽のまたぎの高さの低いものへの交換工事 495,400円
入浴やその介助を容易にするための浴室面積の増加工事  472,300円

※3 トイレ

排泄やその介助を容易にするためのトイレ面積の増加工事  271,700円

【2】ローンありタイプ

①と②の少ない金額を、5年間所得税から控除できます。(最高62.5万円)

①バリアフリー改修工事の標準費用(最高250万円)×2%+その他工事費(最高750万円)×1%

②12.5万円

ローンありタイプは、上記以外にも、
借入金の償還期間が5年以上であることなど
増改築の住宅ローン控除と同じ条件を満たす必要があります。

3.まとめ

バリアフリー改修工事の税額控除は、所得税の値引きです。
該当する場合は、忘れずに適用しましょう。

バリアフリー改修工事をローンで行った場合、
住宅ローン控除の条件に該当すれば
住宅ローン控除を選択することもできます。

シミュレーションのうえで、
どちらか有利な方を選択しましょう。