棚卸資産の評価損を経費に落とすこと、忘れていませんか?
【棚卸資産の評価損の経費化】
会社が保有している棚卸資産について、
税務上、一定の条件に該当すれば、
評価損を経費に落とすことができます。
では、どのような場合に
棚卸資産の評価損を経費に落とすことができるのでしょうか?
考えてみましょう。
目次
1.棚卸資産の評価損として経費に落とせる金額は、いくらなの?
2.棚卸資産の評価損を経費に落とす条件とは?
3.棚卸資産の評価損を経費に落とせない場合とは?
4.まとめ
1.棚卸資産の評価損として経費に落とせる金額は、いくらなの?
棚卸資産の評価損=棚卸資産の帳簿価額-処分可能価額(時価)
評価損は、帳簿価額と処分可能価額との差額です。
どんな場合に税務上、
棚卸資産の評価損を経費に落とすことができるのでしょうか?
2.棚卸資産の評価損を経費に落とす条件とは?
次の事実が発生した場合には、税務上、
棚卸資産の帳簿価額と処分可能価額(時価)との差額を
評価損として経費に落とすことができます。
【1】災害により棚卸資産が著しく損傷したこと
災害で棚卸資産が損傷して、
通常の値段での販売が困難な場合
評価損を経費に落とすことができます。
【2】棚卸資産が著しく陳腐化したこと
棚卸資産の陳腐化の例として、
次の2つがあります。
①季節商品で売れ残ったものが、今後通常の価額では販売できないことが実績その他の事情から明らかなこと
夏物商品や冬物商品などはシーズンが過ぎれば、
通常の価額での販売は難しくなります。
こんなときは、季節商品を処分可能価額で評価したうえで
評価損を経費に落とすことができます。
②その商品と用途はおおむね同様でも、性能や品質が著しく異なる新製品の発表により、今後通常の方法により販売することができないこと
従来品よりも高性能の新製品が発表されれば、
旧性能の商品は通常の値段や通常の方法での販売が
難しくなります。
こんなときは、旧性能の商品を処分可能価額で評価したうえで
評価損を経費に落とすことができます。
【3】会社更生法の規定による更生計画の認可決定があったことなどの事由により、棚卸資産の評価換えをする必要が発生したこと
一定の法的事実が発生した場合には、
棚卸資産の評価損を経費に落とすことができます。
【4】棚卸資産について【1】から【3】に準ずる特別の事実が生じたこと
例えば、次のような場合が該当します。
破損、型崩れ、棚ざらし、品質変化等で通常の方法により販売することができないこと
商品の展示などにより、商品が傷んだりした場合、
通常の値段では販売できなくなります。
そんなときは、処分可能価額で評価したうえで
評価損を経費に落とすことができます。
実際にセールを行い、
販売できた価額や販売できなかった価額を把握しておきましょう。
処分可能価額がいくらなのかを客観的に証明することができます。
税務調査の対策のためにも、
セールの広告、実際の商品と値札の写真などを保管して
説明できるようにしておきましょう。
3.棚卸資産の評価損を経費に落とせない場合とは?
次のような場合は、税務上、
評価損を経費に落とすことができません。
ご注意ください。
単に物価変動、過剰生産、建値の変更等によって棚卸資産の時価が低下したにすぎない場合
4.まとめ
税務上、棚卸資産の評価損を
経費に落とすことができる条件に該当するなら、
経費に落として法人税の節税メリットをうけましょう。