廃棄済みや使っていない固定資産を除却すること、忘れていませんか?
【固定資産の通常の除却と有姿除却】
廃棄済みの固定資産を退職対照表に残したままにしていませんか?
除却損を計上することで、節税につながります。
使っていない固定資産で廃棄していないものでも、
条件を満たせば除却損を計上できます。
では、どのような場合に、
固定資産の除却ができるのでしょうか?
考えてみましょう。
目次
1.通常の除却:廃棄済みの固定資産の除却とは?
2.有姿除却:使っていない固定資産の除却とは?
3.まとめ
1.通常の除却:廃棄済みの固定資産の除却とは?
器具や備品、機械装置などで、
すでに廃棄済みなのに
貸借対照表に金額が残ったままになっているケースがあります。
【1】固定資産の除却で経費に落とせる金額は、いくら?
こんなときは、
固定資産の帳簿価額を除却損に計上しましょう。
除却損の金額だけ、節税になります。
決算のタイミングで、
貸借対照表の固定資産明細書に記載があるのに
実際に廃棄済みで存在しないものがないかどうかを確認しましょう。
【2】償却資産申告書の償却資産明細も確認しておく
また、償却資産申告書の償却資産明細書に記載があるのに
実際には廃棄済みの資産がないかどうかも確認しましょう。
償却資産申告書の償却資産明細書に記載されたままにしておくと、
償却資産税が課税されて、無駄な税金を支払うことになります。
こちらは1月1日現在の償却資産を1月31日までに申告することになります。
1月1日現在で存在しない償却資産については、
減少処理をしておきましょう。
【3】固定資産の廃棄証明書や処分報告書を保存しておく
廃棄処分の際は、廃棄処分業者などから
固定資産の廃棄証明書をもらっておきましょう。
証明書の廃棄処分日に固定資産の除却損を計上します。
業者に依頼せずに処分する場合、
社内で「固定資産の処分報告書」を作成しておきましょう。
報告書には、次の内容を記載します。
①処分する固定資産の名称、数量
②処分理由、処分方法
③その他
売却処分する場合には、
売却先からの査定額が分かる書類を
保存しておきましょう。
2.有姿除却:使っていない固定資産の除却とは?
事務所の隅や倉庫の奥などに置いたままで、
使用していない、使用できない器具や備品、機械装置があれば、
有姿除却を検討してみましょう。
条件にあてはまれば、実際に廃棄されていなくても
除却損を計上することができます。
【1】使っていない固定資産を有姿除却する条件とは?
次に該当する固定資産は、廃棄していなくても
除却損として経費に落とせます。
①使用を廃止し、今後通常の方法で事業の用に供する可能性がない
②特定の製品の生産のための専用の金型などで、製品の生産中止で将来使用される可能性がほとんどない
【2】有姿除却で経費に落とせる金額は?
有姿除却では、次の金額を経費に落とせます。
固定資産の帳簿価額-処分見込額(スクラップによる売却価額)
【3】固定資産の処分報告書を保存しておく
有姿除却の場合も、通常の廃棄の場合と同様、
固定資産の処分報告書を作成しておきましょう。
有姿除却の場合はさらに、
器具や備品、機械装置の主要部分を破壊して
使用することができないようにしておきましょう。
その写真を保存しておくとさらに良いでしょう。
3.まとめ
廃棄済みの固定資産が
貸借対照表に残ったままになっていないか、
確認して、廃棄済みのものは除却損を計上しましょう。
使っていない固定資産も
有姿除却の条件に該当するなら、
除却損を計上しましょう。
除却損の金額だけ
節税メリットを受けられます。