会社が受け取った配当金を収益に入れないこと、忘れていませんか?

【受取配当金の益金不算入】

会社が受け取る配当金は、
配当を支払った会社ですでに法人税が課税されているため、
法人税の計算上、収益に入れないことができます。

この受取配当金の益金不算入は
どのような内容なのでしょうか?
考えてみましょう。

配当金

目次
1.会社の収益に計上しない配当金はいくらなの?
2.まとめ

1.会社の収益に計上しない配当金はいくらなの?

A社がB社から配当金10万円を受け取りました。
法人税の計算上、会社の収益に計上しない配当金の金額は、
いくらになるのでしょうか?

A社が保有するB社株式の保有割合によって
収益に計上しない配当金の金額が決まります。

【1】株式保有割合が100%(完全子法人株式等)

受取配当金×100%

A社が保有しているB社株式の保有割合が100%の場合、
B社は完全子法人に該当します。
同族会社グループの100%子会社からの配当が当てはまります。

法人税の計算上、
収益に計上しない配当金の金額は
10万円×100%=10万円となります。

【2】株式保有割合が1/3超100%未満(関連法人株式等)

(受取配当金-控除負債利子)×100%

A社が保有しているB社株式の保有割合が1/3超100%未満の場合、
B社は関連法人に該当します。

法人税の計算上、収益に計上しない配当金の金額は
控除負債利子を1万円とすると、
(10万円-1万円)×100%=9万円です。

株式保有割合が1/3超100%未満の場合だけ、
会社が支払う借入金の利子などのうち、
関連法人株式等に対応する部分の金額を控除します。

【3】株式保有割合が5%超1/3以下(その他の株式等)

受取配当金×50%

A社が保有しているB社株式の保有割合が5%超1/3以下の場合、
A社が保有するB社株式はその他の株式等に該当します。

法人税の計算上、収益に計上しない配当金の金額は
10万円×50%=5万円です。

【4】株式保有割合が5%以下(非支配目的株式等)

受取配当金×20%

A社が保有しているB社株式の保有割合が5%以下の場合、
A社が保有するB社株式は非支配目的株式等に該当します。
上場会社の株式を少数保有している場合が該当します。

法人税の計算上、収益に計上しない配当金の金額は
10万円×50%=5万円です。

2.まとめ

会社が受け取る配当金は、法人税の計算上、
収益に計上しないことができます。
法人税の節税メリットを受けられます。

ただ、自分で申告しなければなりません。
株式保有割合を確認し、
必ず申告することを忘れないようにしましょう。