会社の減価償却方法は、定額法がいいの?定率法がいいの?
【会社の減価償却方法は定額法か、定率法か】
会社で30万円以上の固定資産を取得した場合、
取得費用は一発で経費にはできません。固定資産に計上します。
耐用年数の期間に渡り、減価償却費として経費にします。
減価償却の方法として定額法と定率法があります。
どちらを選択すれば良いのでしょうか?
考えてみましょう。
目次
1.定額法を選択するとどうなるの?
2.定率法を選択するとどうなるの?
3.定額法の特徴とは?
4.定率法の特徴とは?
5.まとめ
1.定額法を選択するとどうなるの?
定額法の減価償却費=取得価額÷耐用年数
機械装置を1,000万円で購入しました。
耐用年数を10年とします。
定額法を採用します。
毎期の減価償却費は
1,000万円÷10年
=100万円です。
1期目 1,000万円÷10年=100万円
2期目 1,000万円÷10年=100万円
3期目 1,000万円÷10年=100万円
最終的には10期目に減価償却費の累計が、
1,000万円になります。
なお、建物、平成28年4月1日以後取得の建物附属設備、
平成28年4月1日以後取得の構築物は、定額法が強制されます。
2.定率法を選択するとどうなるの?
定率法の減価償却費=未償却残高×定率法の償却率
機械装置を1,000万円で購入しました。
耐用年数を10年とします。
定率法を採用します。
毎期の減価償却費は次の通りです。
1期目 1,000万円×0.2=200万円
2期目 800万円×0.2=160万円
3期目 640万円×0.2=128万円
途中の期で減価償却費が償却保証額より少なくなったときは、
改定取得価額×改定償却率を償却費にします。
最終的には10期目に減価償却費の累計が1,000万円になります。
なお、建物、平成28年4月1日以後取得の建物附属設備、
平成28年4月1日以後取得の構築物は、定率法を採用できません。
3.定額法の特徴とは?
設備投資後の初期に利益を高めにできる
定額法では減価償却費が毎期均等になります。
定率法よりも設備投資後の初期の減価償却費が
少なくなるため、利益を高めにすることができます。
設備投資後の初期段階で利益が計上しにくいケースや
事業の売却を検討しているケースなど
何らかの理由で利益計上したい場合には、選択を検討します。
4.定率法の特徴とは?
設備投資後の初期の利益が低くなる
定率法では設備投資後、初期の減価償却費が大きくなります。
このため、定額法よりも設備投資後の初期の利益が
低めになります。
投下資金を早期に費用化することで、
法人税の節税メリットと、
資金の早期回収のメリットを受けられます。
5.まとめ
原則的には、定率法を採用した方が良いと考えます。
法人税の節税メリットと
投下資金の早期回収メリットは大きいと思います。
ただ、設備投資後に利益が出にくいため、
少しでも利益を確保したい場合は、
定額法の選択を検討してもよいでしょう。