税務調査をする場所は、どこにすればいいの?

【税務調査をする場所】

法人税の税務調査は、通常、会社の本社事務所で行います。
とはいえ、特別の理由があれば、税務調査を他の場所で行うこともできます。

では、税務調査が行われる場所は、どこを選べばいいのでしょうか?
考えてみましょう。

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目次
1.税務調査をする場所は、どこにすればいいの?
2.税務調査の場所の選択や変更は、どうすればいいの?

3.まとめ

1.税務調査の場所は、どこにすればいいの?

通常考えられる税務調査をする場所は、3つあります。

【1】本社事務所で税務調査

税務調査は、通常、本社事務所で行います。
会社の帳簿書類や請求書、領収証など税務調査に必要な書類は、
会社で作成し保管する場合が多いでしょう。

自然な流れとして、税務調査も本社事務所で行うことが多くなります。
特に理由がある場合には、次の場所での税務調査も可能です。

【2】代表者個人の自宅で税務調査 

①代表者個人の自宅で税務調査をするのは、どんな場合なの?

下記の4つのような理由がある場合、
会社の代表者個人の自宅で税務調査を行うことも可能です。

※1 飲食業や小売業などで店舗の事務所スペースがない、あるいは狭い

物理的に店舗の事務所スペースがない場合や狭い場合は、
店舗での税務調査は、避けた方が良いでしょう。

※2 飲食業や小売業などで店舗で税務調査をすると、営業に支障がある

店舗の営業時間内に店舗で税務調査をしていれば、やはり、営業に支障がでます。
また、会社の業績数値などをお客様に聞かれてしまう可能性があります。
このようなときは、店舗で税務調査をするのは避けた方が良いでしょう。

※3 本社事務所が狭く、従業員の仕事をする机と打ち合わせスペースが隣接し、従業員に会話の内容が筒抜けになる

会社によっては、本社事務所が狭く従業員の机と打ち合わせスペースが接近している場合があります。税務調査で、会社の業績数値や給与金額などの会話内容が筒抜けになる可能性もあります。
このようなときは、店舗で税務調査をするのは避けた方が良いでしょう。

※4 代表者個人の自宅で会社の帳簿書類の作成や保管を行っている

経理機能が代表者個人の自宅にあるような場合で、
特に帳簿の量が多く、本社事務所への運搬などが困難な場合は、
本社事務所での税務調査は避けた方がよいでしょう。

②代表者個人の自宅で税務調査をする場合の注意点

※1 玄関に一番近い部屋で行う

代表者の自宅で税務調査を行う場合は、玄関に一番近い部屋を選択しましょう。
調査官の視野に入る部分を極力減らし、
あらぬ疑いを持たれることを避けるようにしましょう。

※2 部屋の中は、調査に関係のないものは、すべて他の部屋に移動する

絵画や骨董品など飾ってある場合は、すべて他の部屋に移動しておきましょう。
会社名の入ったカレンダーなどもすべて外しておきましょう。
これもあらぬ疑いを持たれないようにしておきましょう。

トイレまでの通路も同様に片づけておきましょう。

【3】顧問税理士の事務所で税務調査 

税務調査は、会社の顧問税理士の事務所で行うことも可能です。
代表者の方の中には、個人の自宅で税務調査をするのを
嫌う方もいると思います。

そんなときは、顧問税理士に相談して、
代表者個人の自宅ではなく、
顧問税理士の事務所で税務調査を行うようにしましょう。

2.税務調査の場所の選択や変更は、どうすればいいの?

電話などで口頭により調査官に伝える

税務調査の場所の選択や変更をする場合、
調査官へ特に書面で提出する必要はありません。
調査官へは電話などで口頭により場所と理由を伝え、 調査官が了解すれば、問題ありません。

3.まとめ

税務調査は、通常、本社事務所で行います。
特別の理由があるときは、
代表者個人の自宅、顧問税理士の事務所で行いましょう。

税務調査を貸会議室などで行うことも可能です。
ただ、会社の重要書類を外部に持ち出し、置き忘れなどによる万一の紛失で
会社の財務状況がもれてしまう可能性もあります。
税務調査を貸会議室などで行うことは、極力避けましょう。