事業所税の申告は、しないといけないの?

【事業所税の申告】

東京都内で事業を営んでいる会社です。
事業所の総床面積は、850㎡です。

事業所税の申告をした方が良いのでしょうか?
しない方が良いのでしょうか?
考えてみましょう。

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目次
1.事業所税ってなに?
2.事業所税の申告と納税の義務が発生する場合とは?
3.事業所税の申告書は、いつまでに提出すればいいの?
4.免税点以下申告 事業所税の申告だけが義務になる場合とは?
5.まとめ

1.事業所税ってなに?

道路、公園、下水道、学校、病院など、
都市環境の整備や改善に充てられる地方税です。

東京都(23区)や政令指定都市、人口30万人以上の市が、
一定の条件を満たす、法人と個人に課税します。
条件を満たすと、事業所税の申告納税の義務が発生します。

条件を満たす限り、
申告するか、しないかの
選択の余地はなくなります。

事業所の所在する地方公共団体が、
事業所税を課税しているかどうかに
注意しましょう。

2.事業所税の申告と納税の義務が発生する場合とは?

【1】資産割 事業所等の総床面積が1,000㎡超

事業所等の総床面積が1,000㎡を超えます。
1㎡あたり600円の事業所税が課税されます。
60万円を超える事業所税を、納税しなければなりません。

事業所等は、事務所、工場、店舗、倉庫などが該当します。
自己所有か、そうでないかを問いません。
事務所を借りているなら、借りている方の総床面積に含めて判断します。

事務所や店舗などを借りる際、
事業所等の総床面積が1,000㎡を超えそうなケースでは、
事業所税が課税されることに、注意しておきましょう。

総床面積は、
法人は事業年度末日、
個人は12月31日の現況で判断します。

【2】従業者割 課税する地方団体の事業所等の従業員数の合計が100人超

従業員数が100人を超えると、
従業員の給与総額の0.25%
事業所税が課税されます。

従業員の採用の際、
従業員数が100人を超えそうなケースでは、
事業所税が課税されることに、注意しておきましょう。

従業員数は、
法人は事業年度末日、
個人は12月31日の現況で判断します。

3.事業所税の申告書は、いつまでに提出すればいいの?

【1】法人 事業年度終了の日から2か月以内

【2】個人 事業を行った年の翌年3月15日まで

事業所税を課税する地方公共団体へ申告します。
法人は事業年度終了の日から2か月以内、
個人は、事業を行った年の翌年3月15日までに、
申告する必要があります。

法人事業税と異なり、申告期限の1か月の延長はありません。
申告期限までに、事業所税の納税も忘れないようにしましょう。

4.免税点以下申告 事業所税の申告だけが義務になる場合とは?

【1】資産割 事業所等の総床面積が800㎡を超え1,000㎡以下

【2】従業者割 課税する地方団体の事業所等の従業員数の合計が80人を超え、100人以下

【3】前事業年度に事業所税の納税義務があった法人

【4】前年に事業所税の納税義務があった個人

事業所税の納税の義務はありません。
事業所税の申告だけが必要となります。

当期に納税義務がなくても、前期に納税義務があれば、
免税点以下申告の必要があります。
うっかり忘れないようにご注意ください。

5.まとめ

東京都内で事業を行っている会社で、
事業所の総床面積が850㎡の場合、
事業所税は、課税されません。
ただ、事業所税の申告のみ、義務となります。

事業所税の納税義務はなくても、
事業所税の申告義務があるケースもあります。
注意しましょう。

総床面積が1,000㎡を超えそうなとき、
従業員が100人を超えそうなときは、
事業所税が課税されることに、十分注意しましょう。

事業所税は、経費になりますが、
キャッシュフローを圧迫します。

事業所税では、特にある日突然、
役所からの電話で指摘を受けて、
納税の義務に気が付くケースが少なくありません。

条件に該当するかどうか、意識して
事業所税の申告を
忘れないようにしましょう。

同族関係にあるA社とB社が、
同一の事業所1,200㎡を、半分の600㎡づつ使用しても、
事業所税が免税にならないケースがあります。

みなし共同事業として、全体として納税義務が発生し、
事業所税の計算は、個々の会社ごとに行うときがあります。
ご注意ください。