相続税の申告で土地を評価するとき、地積は何を採用すればいいの?

【相続税申告で土地評価の際の地積】

相続税の申告のため、土地の登記簿の地積を見ましたが、
どうも実際の地積とは異なりそうな感じです。

こんなときに相続税申告で土地を評価する場合、
地積は何を採用すればよいのでしょうか?
考えてみましょう。

古い町並み

目次
1.相続税申告で土地の地積は何を採用すればいいの?
2.まとめ

1.相続税申告で土地の地積は何を採用すればいいの?

土地の相続税評価額は、路線価評価の場合、1㎡当たりの路線価×土地の地積です。
路線価50万円、登記簿の地積100㎡なら、
路線価50万円×100㎡=5,000万円です。

実際の地積は120㎡ぐらいありそうです。
そうなると路線価50万円×120㎡=6,000万円です。
土地の評価のとき、地積は何を採用すれば良いのでしょうか?

【1】測量して実際の地積を採用

土地の地積は、相続が発生した時の実際の地積を採用するのが原則です。
過去の測量図がないときは、出費はかかりますが、
測量を依頼して地積を確定しましょう。

測量するなら、相続の発生前に行いましょう。
出費した現金の金額だけ、相続財産が減少します。
相続税の節税効果があります。

【2】土地登記簿の地積を採用

法務局の土地登記簿の地積を採用して、土地の相続税評価額を計算します。
登記簿の地積は、正確ですが、絶対というわけではありません。
法務局の地積測量図の地積も、正確ですが、絶対ではありません。

測量技術は日々進化を続けています。
昭和時代に測量が行われている土地などでは、
実際の地積と異なる場合もありえます。

土地の登記簿の地積が実際の地積よりも少ない場合、
登記簿の少ない地積で相続税申告を行うと、
税務調査で過少申告を指摘される可能性もあります。

若干の誤差なら問題ないと考えますが、
十分注意しておきましょう。

【3】建築計画概要書の敷地面積を採用

建物が建築されている土地であれば、
建築確認のときの建築計画概要書の敷地面積を
採用するのもひとつの方法です。

【4】過去の測量図の地積を採用

過去の土地の測量図があれば、その地積を採用するのもひとつの方法です。
昭和時代に測量された図面で、実際の地積と異なる可能性があるなら
再度測量することも検討しましょう。

【5】自分で測量した地積を採用

測量に出費をしたくない場合には、
自分で実際に巻き尺などで測量した地積を採用するのも一つの方法です。
ただし測量のプロではない以上、あくまで概算ということになります。

実際の地積とそれほど差異のない測量が可能なら採用してもよいでしょう。
測量過程、計算過程をきちんと残して
税務調査に耐えうるようにしておきましょう。

【6】土地の公図と三角スケールとで机上計算した地積を採用

土地の公図と三角スケールとで机上計算した土地の地積を採用します。
土地の公図が古いものだと、隣地境界線や土地の形状が実際と異なる可能性もあります。
机上計算ですので、あくまで概算になります。ご注意ください。

採用の際は、税務調査のときのためにも、
計算過程を残しておきましょう。

2.まとめ

土地の路線価50万円、登記簿の地積100㎡、実際の地積120㎡なら、
路線価50万円×120㎡=6,000万円で
土地の相続税申告を行います。

登記簿の少ない地積で申告すると、税務調査で過少申告を指摘されるリスクが残ります。
実際の地積での申告が原則ですが、なんらかの理由で他の地積を採用する場合、
実際の地積との差異を極力少なくして、過少申告リスクを減らしましょう。

上記の土地について、あくまで理論上は、
100㎡から120㎡へ土地の地積更正登記をすることになります。
地積更正登記をすると、固定資産税が増加します。ご注意ください。