【小規模宅地の特例】駐車場としての土地活用は、ロープ区画の駐車場がいいの?アスファルト駐車場がいいの?

【小規模宅地の特例。駐車場はロープ区画か、アスファルトか】

更地のままで、固定資産税が負担になっている土地を、
何とか活用したいと考えています。
お悩みをかかえる地主さんは、意外と多いのではないでしょうか。

なんらかの理由で、活用方法は、
駐車場に限定されてしまっています。

では、同じ駐車場として活用するなら、
地面にロープで区画した駐車場を選んだ方が良いのでしょうか?
アスファルト敷きの駐車場を選んだ方が良いのでしょうか?

個人の地主さんの相続税の節税の観点を中心に、
考えてみましょう。

水滴のついた笹の葉

目次
1.ロープ区画の駐車場の小規模宅地の特例上のメリットとは?
2.ロープ区画の駐車場の小規模宅地の特例上のデメリットとは?
3.アスファルト駐車場の小規模宅地の特例上のメリットとは?
4.アスファルト駐車場の小規模宅地の特例上のデメリットとは?
5.まとめ

1.ロープ区画の駐車場の小規模宅地の特例上のメリットとは?

少ない投資で始められる

ロープ区画の駐車場のメリットは、
多額の投資を必要としません。
ここが一番のメリットと考えます。

大規模災害などで被災しない限りは、
多額の修繕費は必要としないと考えます。
駐車場収入で、固定資産税の負担も軽減されます。

2.ロープ区画の駐車場の小規模宅地の特例上のデメリットとは?

相続税の小規模宅地の特例の対象になり得ない(50%評価減を適用できない)

ロープ区画の駐車場があります。
面積 300㎡
相続税評価額 60,000千円

地主さんに相続が発生すると、
どうなるのでしょうか?

ロープ区画の駐車場は、
小規模宅地の特例の対象になり得ません。

相続税の計算上、200㎡まで、
土地の評価額の50%を減額する
節税メリットは受けられません。

①土地の評価額

60,000千円のままです。

②相続税の課税対象の金額

土地60,000千円に対して、
相続税が課税されます。

小規模宅地の50%減額の節税メリットを受けるには、
土地の上に構築物が存在する必要があります。
ロープで区画をするケースは、これにあてはまりません。

3.アスファルト敷き駐車場の小規模宅地の特例上のメリットとは?

相続税の小規模宅地の特例により、50%評価減の対象になり得る。

アスファルトを敷いた駐車場があります。
面積 300㎡
相続税評価額 60,000千円

地主さんに相続が発生すると、
どうなるのでしょうか?

アスファルト敷き駐車場は、
他の一定条件を満たせば、貸付事業用宅地等として、
小規模宅地の特例の対象になります。

こんどは、
土地の上にアスファルトという
構築物がありますね。

相続税の計算上、200㎡まで、
土地の評価額の50%を減額できる
節税メリットを受けられます。

①土地の評価減の金額

60,000千円×200㎡/300㎡×50%
=▲20,000千円

②相続税の課税対象の金額

40,000千円に対して、相続税が課税されます。
60,000千円-20,000千円
=40,000千円

他に土地があるケースで、50%の評価減を適用する場合、
原則、1㎡当たり評価減の金額が最も大きい土地から
選択すると有利になります。

ロープ区画の駐車場だけがあって、
他に土地がない。

ロープ区画の駐車場があって、
他に土地があるものの、
小規模宅地の特例の対象になり得るものがない。

こういったケースでは、
ロープ区画の駐車場を
アスファルト駐車場に変更した方が良いでしょう。
相続税の節税メリットを受けられます。

4.アスファルト駐車場の小規模宅地の特例上のデメリットとは?

アスファルト舗装には、償却資産税が課税される。

土地や建物には、固定資産税が課税されます。
同じように、アスファルトなどの構築物には、
償却資産税が課税されます。

アスファルトの課税標準を
2,000千円とします。

償却資産税は、
2,000千円(課税標準)×1.4%(税率)
=28千円です。

償却資産税の課税標準は、取得価額とは異なります。
取得金額から償却費を控除して計算します。
ご注意ください。

5.まとめ

相続税の節税メリットの観点からは、
土地を駐車場として活用する場合、
アスファルト駐車場にした方が良いでしょう。

相続税の小規模宅地の特例により、
200㎡まで、土地の評価額を
50%値引きしてもらえます。

では、砂利敷き駐車場は、どうなのでしょうか?
砂利も構築物に該当します。
小規模宅地の特例の対象になり得ます。

ただ、砂利の量が少ないケースなど、
構築物の敷地の用に供されていないと
判断される可能性もあり得ます。

50%減額の可否の判断上、
困難を要するケースもあり得ます。
アスファルト駐車場にした方が良いと考えます。

税務上、土地の貸し付けによる地代収入は、
消費税が非課税とされています。

ただ、ロープ区画の駐車場であれ、
アスファルト駐車場であれ、原則として、
駐車場収入には、消費税が課税されます。ご注意ください。