非常食や災害用品の購入費用は会社の経費に落とせるの?

【非常食や災害用品の購入費用】

最近は東日本大震災、熊本地震などの地震をはじめ、自然災害が頻繁に起こっています。
自然災害に備え、非常食や災害用品を備蓄する会社も多くなってきています。
東京都の帰宅困難者対策条例では、従業員の食料や飲料水を3日分備蓄する努力義務もあります。

では、非常食や災害用品の備蓄のための購入費用は、
会社の経費に落とせるのでしょうか?
考えてみましょう。

缶詰

目次
1.非常食の購入費用は会社の経費に落とせるの?
2.災害用品の購入費用は会社の経費に落とせるの?
3.まとめ

1.非常食の購入費用は、会社の経費に落とせるの?

非常食の購入費用は、会社の経費に落とすことができるのでしょうか?

【1】全役員と全社員のため会社に非常食を備蓄した場合

会社の経費OK

非常食として飲料水やレトルト食品、缶詰、クラッカーなどを購入して会社に備蓄します。
全従業員のための非常食であれば、購入費用は会社の経費に落とすことができます。

すぐに食べないからといって、購入費用を資産に計上する必要はありません。
万が一に備えて、非常食を会社に備蓄した段階で、非常食の効力が発揮されますので、
備蓄した段階で経費に落とすことができます。

【2】特定の役員や社員のため会社に非常食を備蓄した場合

現物給与として特定の役員や社員の賞与になる

非常食を会社に備蓄したとしても、
社長はじめ役員しか食べられないという場合、
購入費用は会社の経費に落とすことができません。

この場合は役員賞与となり、経費にできないばかりか、源泉所得税の徴収対象になります。
特定の社員しか食べられない場合は、従業員賞与として会社の経費にできますが、
源泉所得税の徴収対象になります。ご注意ください。

【3】特定の役員や社員の住まいに非常食を備蓄した場合

現物給与として特定の役員や社員の賞与になる

会社で非常食を購入するのは、震災などで帰宅が困難になり、
会社にとどまらざるを得ないときのためです。
非常食を個人の住まいに備蓄しても、購入費用は会社の経費にできません。

2.災害用品の購入費用は、会社の経費に落とせるの?

【1】全役員と全社員のために会社に災害用品を備えた場合

会社の経費OK

防寒具、毛布、雨具、カイロ、バール、のこぎり、ヘルメット、笛などの
災害用品を購入して会社に備え付けた場合、
購入費用は会社の経費にすることができます。

防寒具やバールなどが、事業に全く関係がなく通常使用しないものであっても問題ありません。
会社に備え付けた段階で、災害対策が完了します。
そのタイミングで経費にできます。

【2】特定の役員や社員のために災害用品を購入した場合

現物給与として特定の役員や社員の給与になる

特定の役員や社員のための災害用品の購入費用は、
特定の人の現物給与になります。

3.まとめ

非常食でも災害用品でも、全員のために会社に備蓄すれば、
購入費用は経費に落とせます。
特定の人のための場合、現物給与になります。ご注意ください。